takakazuのブログ

家庭菜園と、趣味での小説

イブ#その1

ひと際どす黒い雲の塊が辺りに落雷を撒き散らし耳を劈く雷音と共にみるみる屋敷に近付いてきた。
避雷針の真上までにそう時間はかからない。
避雷針とは文字通りにイメージすると避雷針の設置してある家屋や機器がそれによって落雷を避け被害を免れると考える者もいると思うがそれは違う。(現在は雷を避ける避雷器が主流か?)
本来は誘雷針と名づけるべきだろうが、おそらくイメージが悪いから避けたと思われるのだが。簡単に説明すると針の先端に落雷を誘導してケーブルを伝わせ地中に逃がす装置と思えばよい
雷は100Wの電球90億個分相当の電力、エネルギーに換算すると900MJで家庭用エアコンを24時間使い続けたら10日余り使用することが出来る最強放電だ。(ウイキぺディア・雷参照)


しかしその避雷針から引き込んだ太いケーブルはあろうことか診察用ベッドに横たわっている美女の真四角に切り取られた左胸の中に繋がれていた。
それは完璧な肢体に対して神への冒涜に他ならず、もし見知らぬ気の小さい者がその様子を見たら失神しかねない程、奇怪で残虐な光景だった。