takakazuのブログ

家庭菜園と、趣味での小説

イブ、原点回帰・その5

高畑にはまだまだ謎だらけで思考が着いて行けない。イブが自分をロボットだと言うのが信じられないし、イブの話の中に出てくる怪物の正体もさっぱり訳が分からない。橘や美鞘や昭雄とは元々次元が違うのだから仕方がない。イブはこれでは前に進めないと思い、取り敢えずは自分がロボットなのを高畑に認めてもらわなければ次の行動に移れないと思った。イブは仕方ないという様な表情をし、溜め息をひとつ吐いた。目の前のむぎ茶を入れたガラスコップに残っているお茶を一気に飲み干し、それを片手の握力で難なく割った。その破片を自分の喉元に突き刺した。これは一瞬の出来事で、何の躊躇も無く一連の動作で行ったので4人はそこまでは無表情で見ていた。突き刺す行為後1秒も満たない間全員の脳に衝撃が走った。阿鼻叫喚とはこの事。悲鳴で溢れ返った。だがイブは平気な顔でガラスの鋭い先を深く喉に差し込み、1分程して喉から離した。血は一滴も出ていないし傷ひとつ残っていない。イブは「これで分って頂けましたか?他にも証明する方法は幾らでもあるのですが、一番手っ取り早くと思いまして」少し苦笑気味に青ざめている皆の顔を見渡した。

※公開してから間違いに気付く箇所があり訂正しました。m(_ _)m