takakazuのブログ

家庭菜園と、趣味での小説

イブ、原点回帰・その6

「私がなぜいきなり正体を打ち明けたのかと言いますと、この私の左腕にあります」そういうと右腕で下におろしている左腕の肘の部分を持って、テーブルの上に『ゴトッ』と置いた。「屋上から美鞘さんと飛び降りた際、衝撃を和らげる為に壁に打ち当てました。腕が壁に刺さり思惑通り落下の加速は防げたんですが、肘の関節部が耐え切れず壊れてしまいました。」そういうと、ピクリとも動かない肘から下の腕をブラブラと有り得ない向きに揺らせて見せた。高畑は「アッ、それでお茶汲みが...」イブがこくりと頷く。

「この腕が元通り動かないと何も出来ません。ましてや美鞘さんのお手伝いの役にも立てません」成り行き上高畑にグレート・デストロイの名を出したが、未無来所長がその正体だとはまだ言わない方が良いと思った。他の3人も口に出さないのは暗黙の了解と云うことだろう。今、正体を明かすとショックで彼がどうなるか想像もできない。

高畑にとってもあの不可解な出来事が何だったのか一向に解らず終いで、中途半端に思考が止まったままでいる。それでも言い出さないのは、わけの分からない恐怖心が口に出すのを抑制しているからだった。イブは「この腕を修復できるのは私の殻を造った所博士だけです。だからもう一度原点に戻って博士を探し当て、出来ればより強靭な体に改造してもらおうと思います。高畑さんや社長には大変お世話になりながら、勝手な事情で一旦此処を去ることを申し訳なく思っています。ですが、今回ばかりは致し方ありません。お許し下さい」と、うなだれる様にイブは頭を下げた。

イブ、原点回帰・その5

高畑にはまだまだ謎だらけで思考が着いて行けない。イブが自分をロボットだと言うのが信じられないし、イブの話の中に出てくる怪物の正体もさっぱり訳が分からない。橘や美鞘や昭雄とは元々次元が違うのだから仕方がない。イブはこれでは前に進めないと思い、取り敢えずは自分がロボットなのを高畑に認めてもらわなければ次の行動に移れないと思った。イブは仕方ないという様な表情をし、溜め息をひとつ吐いた。目の前のむぎ茶を入れたガラスコップに残っているお茶を一気に飲み干し、それを片手の握力で難なく割った。その破片を自分の喉元に突き刺した。これは一瞬の出来事で、何の躊躇も無く一連の動作で行ったので4人はそこまでは無表情で見ていた。突き刺す行為後1秒も満たない間全員の脳に衝撃が走った。阿鼻叫喚とはこの事。悲鳴で溢れ返った。だがイブは平気な顔でガラスの鋭い先を深く喉に差し込み、1分程して喉から離した。血は一滴も出ていないし傷ひとつ残っていない。イブは「これで分って頂けましたか?他にも証明する方法は幾らでもあるのですが、一番手っ取り早くと思いまして」少し苦笑気味に青ざめている皆の顔を見渡した。

※公開してから間違いに気付く箇所があり訂正しました。m(_ _)m

今日は快晴

昨夜、明日が快晴なら公園で歩いてこようと決めていた。
いつものように午前3時頃、猫のミャーに起こされてシラス干しを与えパソコンを起こしてウクライナ情報を観た後、二度寝した。
6時半に起きて庭に出て「よし!いい天気!」とつぶやきつつ、野菜の苗たちに水をやる。
カインズで5日程前に買ってきた桃太郎(トマト)やナス、キュウリ、ピーマン、しし唐も今のところ元気。ジャガイモ男爵がようやくあちらこちらで芽を出してきた。


車で15分ほど行くとこの辺りで一番広い公園に着く。先日MP3(ミュージックプレーヤー)に懐かしい歌を友人に追加してもらったので、それを聴きながら歩くのが楽しみ。
7時45分に到着。平日でまだコロナ渦の今、人も疎らで自分としては気楽に歩けて好都合。
今回はポールモーリアやカーペンターズも入れてくれて「歩くのにはどうかな?」と友人は言ってたけど、これはこれで良かった。カレンの声はまるで秀悦な楽器のようで、小鳥のさえずりのように耳に心地よく響いてくる。
てなわけで約1時間、7500歩いい感じで終了。少々汗をかいて帰途に就いた。猫のミャーが、裏木戸のすりガラスに体をくっ付けてミャーミャーと鳴き叫んでいた。(苦笑)