takakazuのブログ

家庭菜園と、趣味での小説

takakazuのブログの人気ブログ記事

  • イブ、原点回帰・その5

    高畑にはまだまだ謎だらけで思考が着いて行けない。イブが自分をロボットだと言うのが信じられないし、イブの話の中に出てくる怪物の正体もさっぱり訳が分からない。橘や美鞘や昭雄とは元々次元が違うのだから仕方がない。イブはこれでは前に進めないと思い、取り敢えずは自分がロボットなのを高畑に認めてもらわなければ... 続きをみる

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  • 父子の決闘・その5

    「僕は父さんを買い被っていた。もうちょっとマシな人だと思ってました。」「まさか僕と戦うために友達を人質に取るなんて。最低だよ。」とハヤテは言った。 「僕は父さんとの戦いを避ける事は出来ないと思っている。だからこうやって修行しているのに。そんな汚い手を使うなんて許せない。」ハヤテは感情を抑えながら淡... 続きをみる

  • 山籠もり・その13

    (僕は宙を飛ぶとき風を起こす。その風は僕の全身を包み込み、目標にまで運ぶ。あらかじめ目で目標を確認し、そこまで行こうと意識する。すると、一直線に風が運んでくれる。だが、ひょっとすると持っているチカラの使い方を、それしか知らないからやっていないだけなのかもしれない。飛行中に念じて風を変化させ、自在に... 続きをみる

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  • 山籠もり・その11

    立山が帰った後も、何をするではなく縁側に腰かけて立ちこめている霧を観ていた。 霧は、やがて水滴となりポツリポツリと小降りとなって、そのうちザーザーと縁側を濡らす程の 本降りとなった。ハヤテは雨に濡れた下駄を縁側のふちを片腕で支え、もう片方の腕を伸ばして鼻緒を掴むと引き上げた。座敷を通り抜け玄関に来... 続きをみる

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  • 父子の闘い・その20

    「つまりだな、君は現実のなかで脳が創りだした夢を観ていた。心が君の周辺の物を変化させた。これは唯心論の定義みたいじゃないか?」 「だが唯心論や観念論提唱者は、ただ単に唯物論に対して反論材料として用いただけとの風評が強くある。つまり、嫌がらせだ。」 「私としては全て世の中、物体のみ存在し、心や念や精... 続きをみる

  • イブ#その23

    均はいきなりベンチの女性が目の前に現れたので、驚きと恐怖で血の気が引くのを覚え一歩退いた。だが、一点の曇りも無い澄みきった瞳に魅入られ、魔法に罹ったように見つめ続けた。その瞳は、今の自分の心境を映しているかの様に、憂いを秘めて悲しげであった。彼女がしなやかに右手を差し伸べたから、それに従い手を握っ... 続きをみる

  • 抜糸する前にやらかす。

    「2週間後に来院して下さい抜糸しますから」そう言われて服を着せられ戻って来たのは良いけれど、日課の毛繕いができない苛立ちが日々募って来たらしい。手術後10日程経って、私が仕事から帰って来たら、後ろ足を渡してボタン止めしてある紐が外れて、床に着いている。ひと目でうんちが付着しているのが分かる。病院側... 続きをみる

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  • 美鞘、最大のピンチ・その5

    イブが階段の踊り場で腰をかがめて屋上の様子を窺う。既にイーグル・アイは元に納めている。 ドアの向こう側からグレート・デストロイの声が聞こえて来たのには驚いた。人間の姿を解き、正体を露わにしたのだ。そして話している相手が美鞘であることは、ほぼ間違いない。彼が元来の姿を見せたのなら必ず美鞘は始末される... 続きをみる

  • ギガ製造工場・その10

    そこのお嬢さんとはどこかでお会いしたことがあると言われ、美鞘は背中に冷や汗が流れた。 ミラクルドリンク・ギガが大好評で売れているので、最近TVによく出ていて顔は承知している。 しかし目の当たりに見る社長の印象は全く違って見えた。「えっ?そうですか?・・・。私のような顔立ちの女の子はたくさんいますよ... 続きをみる

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  • 怪物の餌食・その3

    「あいたた・・いきなり暴力ですか?おとなしく帰してあげようと思ったんだすけどね~。あと一年ぐらいは長生きできたかも知れない。」 紳士、いや未無来社長は独り言のように呟きながら、依然として無防備な体勢で浩二の前に立つ。浩二は本気で重傷を負わそうと考えていた。 猫足立ちに構えると、風のように相手の懐に... 続きをみる

  • イブの決意・その13

    橘が昭雄に今週の日曜日に会えないかと電話すると、即ОKとの返事が返ってきた。(こいつ、余程暇を持て余してるんだな~。そういえば俺が立哨している時、挨拶代わりに『何か面白いことないですか?』だもんな~)一度署長に注意を受けてから、長話しはできなくなったので、最近ではお互いに心得ている。空手の練習日ま... 続きをみる

  • イブの決意・その10

    「いや、どうもお待たせしました」応接室のソファーに座っている橘とイブに声をかけ、高畑が対面のソファーに掛ける。 彼等が書斎をでて5分ほど、殆ど待っていると云うほど時間は経っていなかったのだが。 「社長と相談した結果、採用させて頂くこととなりました」そういってイブの反応を見る。 なるほど、殆ど表情に... 続きをみる

  • イブの決意・その8

    橘を残し、高畑とイブは応接室の奥にある部屋に入った。そこに社長はいた。12畳ほどの洋間の壁際は全面本棚となっており、夥しい数の本がぎっしりと並べられていた。ここは、主に社長の書斎として使っている。大きなテーブルの向うに髪の薄い口髭を生やした、でっぷりとした体格の50代と思われる男性がノーネクタイの... 続きをみる

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  • イブの決意・その7

    ライトオン・ミュージック・プロダクションは洗練された5階建てのビルで、玄関の自動ドアを開けると、広々としたロビーになっていた。ふたりはロビーの中程まで進んだ。特大のポスターパネルが壁一面に掲げてある。それはライトオン・プロダクション所属のスター達の華やかな共演であり、競演でもあった。顔だけの大写し... 続きをみる

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  • 月光の剣・その2

    不満顔の昭雄に気付き橘が声を掛ける。「どうした、青年!何か言いたいことありそうだな?」昭雄は「いえ・・・。ファンを騙すというのはどうかと・・・。」歯切れの悪い口調で遠慮気味に昭雄が言う。「騙す?騙してなんかいないさ。美鞘ちゃんは今日採用されて出演するキリクノ隊の新メンバーだ。まあ、紹介は抜きだが、... 続きをみる

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  • ベストパートナー・その3

    美鞘はワザと(やれやれ・・・)という顔付きをして立ち上がった。 昭雄はニコニコ笑って目を輝かせている。ガッツも嬉しそうに尻尾を振っている。 「じゃあ、やるかー!」」美鞘は気合の入った声を上げた。何が始まるのか 浮き浮き顔で昭雄が観ている。美鞘は「シュッ」と剣を鞘に収めた。すると柄と鞘との境目が溶け... 続きをみる

  • 選ばれし救世主・その9

    美鞘が選ばれし者だと分かった日から、継子は美鞘をどのように育てていけばよいのか日々悩んでいた。そんな親の思いをよそに、娘は日を追う毎に心身共々すくすくと成長し、目を瞠る程に輝きを増してくるのであった。小学校を卒業する頃には、並みのアイドル顔負けの端整な容姿を備えていた。本人はそんなことはお構い無し... 続きをみる

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  • 未無来統一という男・その2

    この章は18歳未満お断りです^^;小説の流れ上、どうしても必要だと判断し、少しだけエロい筋書きとなっておりますので><;。よいこのみなさんや真面目な方々は、す~っと流し読みしていってくださいね^^; そのドリンクを飲んだ瞬間、言い様のない強烈な生臭さと『ドロリ』とした粘リ気のある液を喉元が本能的に... 続きをみる

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  • イブ#その56

    薄汚れたハーフコートの男の真上でホバリングしているイーグル・アイからの映像は、イブの予想を裏切るものだった。 明らかに怪しいと睨んだその男の行動は、普通客以上に正常だった。なぜなら、商品棚から遠く離れた通路に佇んで殆ど移動しないからだ。 買い物客が右往左往している中、その男だけが静止しているのはあ... 続きをみる

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  • イブ#その54

    イブは機械として見れば他に類を観ない最高傑作品だが、ヒトとしての判断能力にまだまだ経験不足であり二進法的思考が勝っているから、この場合『良いか悪いか』のふたつしか選択枝がなく『悪い』と人工頭脳がジャッジすれば『良い』状態にするべき対策を図って行動を起すようにできている。ファジーという概念が今はまだ... 続きをみる

  • 山籠もり・その14

    ハヤテはしゃがみ込んだまま、いろんなことを思い出していた。じいちゃんとの生活や、森の仲間たちとの楽しかった日々が次から次へと頭の中に浮かんでは消えていく。今思うと、一本歯下駄をじいちゃんに与えられ傷だらけになっていた苦痛の日々も、あれはあれで結構有意義に過ごしていたんだなあと振り返る。そんな事を思... 続きをみる

  • 山籠もり・その9

    ハヤテは、その場で膝を曲げ腰を少し落として軽く飛び上がった。すると、ふわりと4,5メートルの高さまで浮かび元の位置に着地した。まるでハヤテの周りだけ重力がなくなったようだ。立山は、ふと、古い記憶の中にある映像を思い浮かべた。それはアポロ11号が月に到着し、宇宙服を着たアームストロング船長が月面を歩... 続きをみる

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  • 山籠もり・その8

    スープを極わずかに残してカップを灰皿代わりに使っていた立山が、短くなったタバコをそこに捨てると小さく『ジュッ』と音がした。消えたのを見届けながら蓋を閉じると、ハヤテのそばに来て、また胡坐をかいた。断るわけでもなく羽根を触ったり布で編みこんだ背負子や肩ベルトを撫でたりしていたが「つくづく偉大な人だっ... 続きをみる

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  • イブ#その49

    事故で記憶をなくし入院してから2週間。工学博士の所典夫はようやく折れた足の骨もギブスで固定され(それまでは足首にボルトを通してワイヤーでぶら下げ、折れた骨同士をつなぎ合わせていた。)車椅子を担当看護師の伊藤さんに押してもらい、一日に一時間ほど院内を散策することを許されていた。右腕、右足ともギブス固... 続きをみる

  • 清志と秀也・その9

    そして今また、忌まわしいあの鳥が秀也の襲ってきた。なぜなのかわけがわからないが、とにかく屋上の出入り口まで走って逃げ延びなければ、またあの時の二の舞になると思った。必死の形相で走る。喘ぎながらも、ドアまで1、2メートルのところまで来た。(助かった!)と思った。ノブに手を掛けて開こうとしたとき後頭部... 続きをみる

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  • 清志と秀也・その2

    清志は以前の体調に戻った喜びを噛みしめながら学校に向かっていたが、それと同時に大きな難問が待ち受けていることが分かっているから、弱気にならないよう自己暗示をかけ続けた。(秀也なんか怖くない。同い年じゃないか。負けない、負けるもんか!)だが、あの体格と腕力では、いざとなったらとても太刀打ちできない。... 続きをみる

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  • 清志と秀也・その1

    清志はいつも通り7時過ぎに起床した。前夜に飲んだ松本病院の錠剤が本当に効くのか不安で、なかなか寝付けなかったが起き上がってみると、何の違和感もない。(効いている・・・。間違いない)これも皆、冴子さんやハヤテ君たちのお陰だと、心から感謝した。「清志~!起きてる~?」母の呼ぶ声がする。「は~い!」自分... 続きをみる

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  • イブ#その43

    夕食後、弘は早朝と云うか深夜と云うか、午前2時に起きて新聞配達所に出勤しなければならないので、風呂に入り寝るために早々と自分の部屋に戻った。他の3人は台所で雑談に講じている。「弘さん、頑張っているんですね。」イブが言うと「ああ、随分助けてもらってる。」と、均が今しがた出て行ったガラス戸に目をやりな... 続きをみる

  • 新型コロナワクチン3回目行ってきました。

    前回と前々回はファイザー、今回はモデルナ。以前同様、当日と次の日腕に鈍痛がしていたがそれも治まった。人によれば高熱が出て2.3日寝込むものもいるという。イヤミな同僚と話すと、接種後の体調が軽い者は効き目が薄いかも知れんぞと何の根拠もなくのたまった。こう言うデマを流す輩が少なからず居る。そう言う者に... 続きをみる

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  • 伊藤君の大誤算・その5

    この大型ショッピング・センターは広大な立地面積を誇るが高さは然程ない。階は1階と2階だけだ。1Fは西から電化製品や靴屋、本屋、軽食・ファースト・フード店があり、東側に薬や化粧品売り場。そして最も大きくスペースをとり食料品売り場がある。それらの中央に位置する所にイベント広場があり、土、日祝祭日には幼... 続きをみる

  • イブ#その33

    玄関の掃除を終えて気だるそうに居間に入る。弘と歩美がコソコソ小声でなにか話している。 均は既にお笑いが終わってニュースをやっているテレビを、何気に観ながら胡坐を組んだ。それを待っていたかのように、2人が均に話しかけてきた。「兄ちゃん、あの人普通じゃないよ。服着たままシャワー浴びてたんだよ」歩美が均... 続きをみる

  • 父子の闘い・その4

    「あっ、いけね!すっかり忘れてた!」脱いであったジャージのポケットにそっと手を突っ込み、リスの秀吉を掴み出した。 すっかり寝ついていて、まるでマスコットの様に微動だにしない。「ま~、可愛いぬいぐるみね~」冴子が触ろうとする。 「ぬいぐるみじゃないよ、友達の秀吉だ。本物の日本リスだよ。」そういって布... 続きをみる

  • イブ#その16

    父が自殺をしたと知らせを受けたのは午前の法律の講座を受けている最中だった。 携帯のバイブに気付き、送信先を見ると母からだった。(何かあったのか?)首を傾げる。今までに一度も掛けて来た事のない時間帯、嫌な感じがした。そっと室外に出て、廊下で通話ボタンを押した。「もしもし?」均が言うが早いか「ひとしw... 続きをみる

  • 悪魔の掌中その27

    「お前が飲んだ開発薬とは種類が違う薬を、知り合いに勧めてくれりゃあいいだけなんだ。簡単な事だろ?」そういって僕の反応をじっと視る。 「そんな顔するなよ。」体を少し傾けて制服のポケットからプラスチックの手のひらに隠れる程のタブレット・ケースを取り出した。蓋を開けると水色の錠剤が10錠ばかり入っている... 続きをみる

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  • 悪魔の掌中その19

    幾度もシュミレーションを繰り返し、ようやく纏まったのが昼過ぎだった。(フード付きのトレーナを着て、2時過ぎには家を出なきゃ、この体調では間に合わない。定期券を忘れない様にして駅まで普通5分だが、10分みなきゃ。で、各駅が、毎時30分に確か出ている筈だから、それに乗る。名古駅に着いたら降りて、出札口... 続きをみる

  • 悪魔の掌中その7

    「変わった物、色々置いてあるんですね~。骨董品って初めて観ました。じいちゃんの木彫りもあるのかな~?」店の奥が居間になっていて、そこから店内が見渡せるようになっている。上がり框の前で下駄を脱いで居間に入った。冴子の後に付いて台所に行きすがらハヤテがそう言うと、「あれは父の形見みたいな物よ。もちろん... 続きをみる

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  • 悪魔の掌中その4

    「おじさん・・・。」 生きた心地がせず、体全体で『ハーハー。』と、荒い息つかいをして踞っている立山を、能力を使って少し疲れ気味のハヤテが声を掛ける。 「僕はまだ大人になりきれない半端者だけど、人としてやって良い事、悪い事は法律じゃなく、心が決めることだと思います。今までこういう体験が無かったから、... 続きをみる

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  • 鞍馬龍二 その29

    人は誰しも、大小あれど夢や希望や願望を心の奥底に持っている。冴子は普通に歌っている分には問題はないが、気持ちを込めてソプラノで歌うと、なぜか聴いた全ての者は、眠りに陥って夢の中でそれが叶うのだ。ある者は総理大臣に、ある者は大金持ちに、あるものは映画の中のヒーローにと。歌っている時間は3分程でも、夢... 続きをみる

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  • 鞍馬龍二 その24

    月日は流れ農業高校を卒業した圭太は、農業に従事する事を嫌い、同地区にある農協(現 JA)になかば縁故によって就職した。両親は、ことのほか喜んでくれた。そして自分も、社会人としての第一歩を無事踏み出せた喜びを感じながら日々忙しく働いた。 そんなとき一通の封筒が届いた。差出人として『鞍馬 龍二』とある... 続きをみる

  • 持ち家を出てアパートに住もうと。

    2,3年後に今の家を出て安アパートに住もうと思っている。 妻子と別れ現在一人暮らしの身、子供たちもこの家を継ぐ気はないと はっきり言ってることだし、いずれは廃屋となる運命。ならば残りの2,30年の人生は私の自由にさせてもらいたい。姉妹と子供たちには了承をとってある。厄介なのは叔父叔母連中だが、何と... 続きをみる

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  • 鞍馬龍二 その8

    サイコロを振った。ニと三の目が出て五となる。自分の山から何気なく配牌を積もり手牌を観ると(なんだこれ?!)有り得ないものが目の前にあった。字牌、しかも風牌ばかりが・・・。リーダーの言葉ではないが心臓が踊った。十四牌全て字牌。(こ、これは・・)後ろにいる龍二の方を思わず振り向きたい衝動にとらわれたが... 続きをみる

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  • 飛べ!ハヤテ丸5

    松川駅の駅員は親切に対応してくれた。 窓口で事情を話し住所が記してある便箋を見せると、若い出札係の彼は、席を立って年配の駅員を呼んで来た。彼は奥のパソコンに向かい住所を入力し交通ルートを検索して、それをコピーしている。勿論、そういう作業をしていることをハヤテには知る由もない。暫くして、紙切れを一枚... 続きをみる

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  • 会社が休みでも何処にも出られず

    夜勤明けから合わせて二日と半日休みでしたが、コロナのせいで不要不急な時は外出自粛を実施。 いつもなら友人と近くの喫茶店でモーニングコーヒー飲みながら、時間つぶししているんですが、極力出歩かない様心得ました。 実は今日家の有線放送で(毎朝7時半に役場や教育関係が町内の情報を知らせてくれる)、町内で2... 続きをみる

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  • 栽培中の野菜について色々書きたい事がありまして。

    昨日、ホームセンターに行ったら西瓜の苗が売っていました。衝動買いをしてしまいました。大玉と小玉、値段は同じ198円。欲の張った私は、大玉を選んだんだけど、上手く栽培できていざ食べる段になれば、独り者なら小玉のほうがいいでしょうね~(笑) ジャガイモの生育が目覚ましく、もっと深いプランターにするべき... 続きをみる

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  • (第1章)親子の死闘・其の7

    まっとんの見ている雑誌は【週刊実態】という、スクープを写真と解説で構成する週刊誌。やくざの抗争や風俗、はたまた芸能界の裏側を、まことしやかにルポしていて、その手が大好きな暇を持て余している読者をお得意様としている。 眉唾物も多いが、時に物凄い大ネタを載せることもこの業界では知れ渡っている。 しかし... 続きをみる

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  • (第1章)親子の死闘・其の5

    車内と云うのは、なんとなく運転手の性格が顕れるものだ。狭い空間にたくさんの物が置けるわけではない。それでも乗っていて気持ちの良い車内、なんとなく不潔だと感じる車内。それと共に、乗った瞬間から、降りたい衝動に駆られるほど鼻を突く臭いが染み付いている車。降りられない状況なら、さり気なく窓を空かして外の... 続きをみる

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  • (序章)まっとん、心乱される其の4

    「おっとっと、済まない。つい興奮しちまってな」慌て衿から手を離し、両肩をポンポンと叩いてきた。 何はともあれ酷い目には会わないで済みそうだ。それでも緊張は少しも解けそうにない。 黙って下を向いていると、ズボンのポケットから札入れの様な物を取り出した。(えっ?お金、くれるのか)驚いて目をパチクリして... 続きをみる

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  • イブ、原点回帰・その8

    まさか今日電車を乗り継ぎ、佐田駅からバスに乗ってこの野花公園に着いてすぐに博士に出会えるとは思わなかったので、イブはさすがに驚きを隠せなかった。隣に居る白衣の上に紺のカーディガンを羽織った女性が怪訝そうな表情でイブの顔をまじまじと見ている。 だがイブは博士に釘付けとなっており全く眼中にもない。即座... 続きをみる

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  • 今年もお祭は中止。

    五穀豊穣を祈願して毎年行ってた山車引きの行事はコロナの影響を考慮して昨年同様今年も中止となった。 お祭好きでもない私としては、(あw、楽でええわ꒪꒫꒪))なんやけど、中には異常に好きな者もいて悔しさに打ち震えているんやないかと想像する。現在は綱を握る町民も減り、役をする子供達や助人を探すのにも苦労... 続きをみる

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  • イブ、原点回帰・その2

    コンビニに着いて駐車場に車を停めると、疲れ切った表情でキリクノのメンバーが降りて行った。昭雄は、まだ起き上がれないでいる美鞘を心配そうに見ている。美鞘は意識はしっかりしていて目も開けているのだが、ショックが尾を引いていて、その影響が体を思うように動かせない状態にしているようだ。昭雄が声を掛けるが、... 続きをみる

  • 眉毛が自然消滅(;ω;)

    最近、原因不明の脱毛症に悩んでいる。 もちろん頭髪が少なくなってるのは承知の上だが、眉毛がほとんど抜け落ちた。 自分より年老いた人や、同い年の友人を見ても、頭髪はなくても皆眉毛は健在だ。 私の4個上の先輩も太い眉毛を蓄えて?いる(笑)彼に事情を話すと、私の顔をしげしげ見ながら「年を取るほど眉毛は伸... 続きをみる

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  • 美鞘、最大のピンチ・その2

    イブは聴力を最大限にして、女子トイレの洗面台の前で片膝をついている。幸いにも工場内は製造エリア以外、水を打ったように静かだ。 微かにヒタリ、ヒタリと靴音が聴こえる。だが、その靴音が美鞘のものだとの確証はない。玄関の陰で素早く組み立てたイーグル・アイを再び使った。 このトイレに辿り着くのにも使ったの... 続きをみる

  • ギガ製造工場・その17

    イブは全体に星が散りばめてあるような巨大なタンクを見上げていた。移動しながら観察すると、光の屈折で作用するのか、本体の色が滑らかに変化していく。だから、この金属の持つ本来の色は分からない。もしかすると、この虹色が本来の地色なのかもしれないとイブは思った。 多分だがこの中に地球人を滅ぼす素となる物が... 続きをみる

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  • ギガ製造工場・その13

    未無来社長の後に付いて、一行はぞろぞろと歩いて行く。オートメーション化された真新しい近代的な設備が、天井の照明を反射して眩しい。 進行方向に隙間なく茶色の瓶が並んで移動していく様は、感動すら覚える。要所要所で停止し金属製のノズルが下りて適量の液体を注入していく。 それを規則正しく繰り返している。ス... 続きをみる

  • 父子の決闘.その1

    立山がふと思い立ったように携帯を取り出した。「ちょっとハヤテ君に電話してみるわ。出てくれれば良いけど」時間は2時前になっていた。冴子が黙って立山の耳元を見ている。すると数秒で立山の口元が動いた。「おお、ハヤテ君?ははは、その声の感じでは調子良さそうだな。」「うん、、、うん。そうか〜、もうそんなレベ... 続きをみる

  • イブの決意・その4

    橘は何気なく喫茶店の窓から店の前を行き来する人やその向こうの車道、そして建ち並ぶビル群を観ていた。 車道では途切れることなくかなりのスピードで車両が走っている。 (さすが東京だわ。自分らの住んでいる田舎と大違いや~)と、へんなところで感心している。ふと、道路を隔てた向こう側に、スタイルの良い若い女... 続きをみる

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  • イブの決意・その3

    勤務明けに橘は早速高畑マネージャーに電話して、会って話したいことがある旨を伝えた。高畑の携帯電話の番号は特別待遇の橘の携帯に登録されている。「では早速今日の昼過ぎの・・・、そうですね、1時丁度にうちの事務所前にある『喫茶サンシャイン』でどうでしょう?」との問いかけに「その時間で結構です。お忙しいの... 続きをみる

  • 悩めるロボット・その1

    未無来がスクランブル交差点で観たトピックを、同日の夜遅くに放送する報道番組でイブも観ていた。 イブは自分が勤めているスーパーで、あの怪物の来訪を受けた日以降、ニュースや報道を常に神経を尖らせみていた。 イブのなかの赤い石は、未無来が宇宙的に恐れられる『グレート・デストロイ』と同一の生物だと瞬時に認... 続きをみる

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  • 月光の剣・その7

    乾はみるみる血色がよくなり、顔もシワのないピンク色に変わったが・・・残念ながらピカリと光る頭だけは変わらなかった。「おお~!この爽快感!随分長い間忘れてた。まるで、心に澄み切った青空が広がっている様だ。この気分をこの年になって感じることができるなんて・・・。う、うっう・・ありがとう!わかった。君の... 続きをみる

  • ベストパートナー・その5

    昭雄は美鞘の目をじっと見つめて聞き入った。そして美鞘が飲み物を口に運んで一息着いたのを見て、微笑んでこう言った。「美鞘さん。僕で良けりゃあ喜んで協 力させてもらうよ, どんな些細なことでも遠慮なく言ってくれていいよ。」「おそら く途轍もなく強い相手だと思うけど、その剣の力さえ発動することが出来るな... 続きをみる

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  • ベストパートナー・その4

    気がつけば、太陽は二人の真上から強烈な光射を降り注いでいた。幾ら木陰に居てもちょっとキツイ。「暑いね~!北見さん、僕ん家に行こうか~.。此処よりかマシだよ?」「え?」ちらっと家を見た。(どうしようか~?)「用事ある の?」っと昭雄。「僕、母さんと二人暮らしなんだけど母さんパートに行ってて 居ないん... 続きをみる

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  • ベストパートナー・その1

    はや夏休み~! 引越しや転校した学校、ご近所の挨拶回りやお付き合いなんかで、瞬く間に月日が過ぎていった感がある。やっと落ち着いたと思ったら夏休み。 でもこれっていいかも~。月光の剣を試す時! 学校から帰って家に居る時は剣を片時も離さないでいた。自分の一部と化、しようと心掛けたのだ。間違いなく近い将... 続きをみる

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  • 昭雄の事情・その3

    そんなことがありながらも咋な苛めは起こらなかった。浩之とて昭雄を苛めて楽しむ気持ちはさらさらなかったが、平穏に暮らしていた我が家にある日突然やってきた親子が疎ましく思ったのだ。そして同い年ゆえ何かに付け比べられる。祖父祖母も以前は自分をとても可愛がってくれたのに・・・。 自分でもイヤになるくらいモ... 続きをみる

  • 選ばれし救世主・その10

    一体どうなっているのか?抜き身自体が色光を放っている。不思議で魅力的なそのやいばに一同は目を奪われた。ハッと我に返った美鞘が、 皆に「もうここを出よう。」と促した。お昼前、暗い祠から急に明るい所に戻ったので、皆一様に目を細め顔をしかめた。ふと美鞘はこの剣がどれほどの切れ味を持っているのか試してみた... 続きをみる

  • 選ばれし救世主・その7

    継正は毎夜異星での夢を見る。江戸時代宇宙に対してどこまでの知識があったかは分からないが、幸いにも継正は物事に柔軟な考え方が出来るのか、 受け入れるのは早かったようだ。だから異星人を認めたし、彼からの話の内容も信用した。異星人から止められたことがひとつ。書き物として残さない事。第三者の者が開封して大... 続きをみる

  • 未無来統一という男・その4

    厚労省のトップに居座ってるその男は、加藤と同期であった。 不器用な彼とは正反対に、あらゆる汚い手を使いまくって最高速で 今の地位に登りつめた男である。同期ゆえに、互いの胸の奥で 微妙に意識する存在であった。片や優越感と蔑みであり、片や誰よりも遠避けたい世界で最も嫌な男なのである。その彼から呼び出さ... 続きをみる

  • 未無来統一という男・その1

    (あ~、ここだ、ここだ。)地図らしき物を手にし、ようやくたどり着いたと云わんばかりに『ふーっ!』とひとつタメ息をついて加藤は玄関前に立った。彼は厚生労働省の外回りで、申請登録を受けてここに訪れたのだった。ビルのテナントに金看板で「医療研究所 所長 未無来 統一」(みむら・・ふざけた苗字。偽名だなこ... 続きをみる

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  • 清志が消えた・その4

    次の日の午前10時過ぎ、立山はまだら組が所有するビルの地下駐車場の中に車を停め、その中でシートを倒してタバコを吸っていた。煙が籠るので、両方のサイドウインドウを半分開け、外気を取り込んでいる。この駐車場に入る前に、「喫茶まったり」に組長と龍二がいないか車内から確認したが、いつもの席に人影がなかった... 続きをみる

  • 清志が消えた・その2

    山の日暮れは早い。午後4時半を過ぎると、もう辺りは薄暗くなってきて(今日はこれくらいにしておこう)と天狗の面を外し額の汗をぬぐった。 原っぱから家に向かう道すがら、ハヤテは疲れ切った足取りでトボトボと歩いてはいるが気持ちは充実していた。何度も崖の上からダイビングを繰り返しているうちに、段々と翼を動... 続きをみる

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  • 山籠もり・その6

    鞍馬家に着いた時、時刻は既に正午近くになっていた。人や車の行き来がないのか 道らしきものはあるのだが、雑草がかなり伸びていて、それがバンパーやシャーシーを擦り車内にかなり大きな音を響かせた。登坂の上にこの雑草なので、2Dに切り替えながら、じわじわと進むほかなかった。しかし家の庭先に着けば雑草は生え... 続きをみる

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  • 山籠もり・その1

    太陽が西に傾き、骨とう品屋・響の看板が朱色に染まって眩しい。 夕飯まで、まだ間があるので、ハヤテはじいちゃんが作った木工品や彫り物を見ている。 冴子は外国本の翻訳が順調なのか、ご機嫌な様子で鼻歌交じりに料理を作っている。 麗美は自分の部屋で宿題と予習、復習をしている。家庭教師だった清志に辞めてもら... 続きをみる

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  • 清志と秀也・その7

    革靴のつま先で軽く蹴ると、座席シートに座っている坊主が驚いた顔で俺を観た。俺は素知らぬ顔で美香に向かい、少年にも聴こえるように話す。「ちょっと足んねぇんじゃないか?こいつ~」そう言ってふたりして笑ってみせる。そしてまた、『コツッ』『コツッ』と蹴る。少年は顔を顰め、足を移動させるが、それを追いかける... 続きをみる

  • 清志と秀也・その3

    清志が教室に入ると既に秀也は居て、横向きに座り隣の男子と雑談をしているところだった。 秀也の後ろが清志の席だ。通路を長い足でせき止められている。清志はその前で立ち止まり「おはよう。」と声を掛けた。秀也は、その声で初めて気が付いたように足を引っ込め「あっ、おはよう。体の具合は、もういいのか?」と、一... 続きをみる

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  • ハヤテ、山での修行を思いつく。2

    一本歯下駄に指を通しながら「ちょっと出かけてきます。」と店を出たのが10時前。店の前は、本道から外れた枝道だから車の行き来も少ない。しかも通勤時間帯はとっくに過ぎている。ハヤテは、のんびりと街並みを眺めながら歩いている。本道に入ると、さすがに騒音が激しくなる。山を下りた当初に受けたカルチャーショッ... 続きをみる

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  • 葛籠・その3

    麗美が宿題を終えて、二階から降りてきた。もう夜の8時だ。居間にあるテレビのリモコンを取ってテレビに向け電源をオンにする。チャンネルを次々切り替えていたが、気に入った番組がないのかオフにしてポイっとテーブルに投げ捨てる。「あ~あ、つまんないー」両手を頭の後ろに組み、口を尖がらす。ふと、母親の冴子が妙... 続きをみる

  • 伊藤君の大誤算・その18

    「私は随分と悩みました。大学4年生になっていて、周りは皆、就活に励んでいます。今になってマルサンから方向転換は、目標を失うことに等しい。ですが、現状を見ると入社できたとしても魅力の持てない箱の中で、終身勤め上げなければならない。もしかして、喜びも見つけられず苦痛だけの日々を定年まで続けなければなら... 続きをみる

  • 伊藤君の大誤算・その17

    伊藤は少しイラついていた。店長の大学生時代の話はいつまで続くのかと。祖父の偉大さは赤の他人に言われなくても俺はよ~く解っている。今は時々しか会う機会がないが、幼少の頃はとても可愛がってもらった。祖父から直接仕事の話なんか子供の自分には話すわけがなかったが、両親から事ある毎に偉業を聞かされ育ったから... 続きをみる

  • 伊藤君の大誤算・その15

    薄暗い通路を通り、冴えない表情の伊藤が事務所に入っていく。社員たちは、いつもの様に机に向かってパソコンの操作や、打ち合わせをしているが、雰囲気がいままでと違っていると感じた。それは、伊藤が入室した途端に変化したものだと気付く。(皆が俺を意識している。すでに俺の素性が広まったか?) 「おい、北村~。... 続きをみる

  • 伊藤君の大誤算・その14

    ふたりを乗せた車があざ笑うように伊藤の目の前を通り、走り去っていった。ドアの外に出ていた社員や野次馬達も、ひとりふたりと店内に戻って行く。 悔しさに唇を噛み締めていた伊藤だったが、何かを思いついたように従業員通用口の方に駆け出した。従業員通用口は、ひと気のない店の裏側の一角にあった。従業員のみが出... 続きをみる

  • 伊藤君の大誤算・その13

    レンタカーの適度にエアコンが効いている車内でシートを倒し、立山は両手を頭の後ろで組んで目を閉じている。 清志は、デパートの正面玄関の方を呆然と見て冴子らが出てくるのを待っている。 「あれ?!立山さん!あれ、響さん達じゃないいですか?」その言葉に立山が体を起し、出入り口を見た。「何か、変じゃないです... 続きをみる

  • イブ#その40

    「お兄ちゃん?」歩美が居間に入ってきた。部屋の空気が重いと感じ2人の顔を交互に見ながら「どうかしたの?」と訊いてきた。均は、「あ、いや・・・。どうして?なんか用かい?」歩美を見る。 「勉強、一区切り着いたから、夕飯の買い物に行って来ようと思って。冷蔵庫の食材、残り少ないから」均に言い、イブに笑顔を... 続きをみる

  • イブ#その39

    「私の体を造ってくれた博士は、何故か消息を絶ってしまったのですが・・・」 「私を救助用ロボットとして確立したかったようで、その存在を世間に知ら示める意味合いで、一般路上を走破させたのかも知れません」イブはそう言って、まだ論評を展開しているテレビを観た。「こういう騒動になることを想定していたのか、考... 続きをみる

  • 伊藤君の大誤算・その11

    伊藤が、いきなり専属キャラクター云々と口走ったので冴子たちより店長がびっくり顔で彼を見ている。目の前に置かれたコーヒーも目に入らないようだ。 「い、伊藤君、そりゃあ先走り過ぎだよ~。海のものとも山のものとも・・・いや、失礼。と、とにかく何の肩書きもない君が勝手に推し進めることじゃないよ。今日のとこ... 続きをみる

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  • 伊藤君の大誤算・その6

    「やばいことになっちまったなww」2Fの通路をひた走りながら、目を皿の様にして冴子を探すハヤテ。 ふと、目の端に何かが引っかかった。急停止し、よく視ると婦人服売り場の柱の影からニョキッと腕が出て手招きしている。 (もしや、あれは・・・!)ハヤテは柱の影に近づいた。やはり、冴子だった。姿勢を屈め「「... 続きをみる

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  • 伊藤君の大誤算・その3

    やがて一同は郊外にある大型ショッピング・センターに着いた。広大な駐車場と、どっしりとした存在感のある建物。遠くからでも見える大きな看板。 ハヤテは「わ~すげww!僕が住んでた日和山よりでかいんじゃないんかな~!」と、思わず感嘆の声を上げた。 そして、色とりどりに空に浮かんでいるアドバルーンを興味深... 続きをみる

  • イブ#その35

    依然、均が俯いたまま黙っているので微妙に白けた間ができてしまい、各自無言でテレビを眺めている。『・・・・いまだに足取りはつかめていません』画面では投稿者による動画の再生を次々と映し出し、5人の解説者があーだこーだと講釈を垂れている。対象となる者の映像はどれも鮮明でなく、特に近距離撮影に至っては高速... 続きをみる

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  • それぞれの過去・その4

    皆は再びクラブに戻った。いつの間にか一般客は居なくなっていた。ママが帰したのだろう。元のテーブル席に組長と若い衆がふたり。龍二と立山も元の止まり木に座って、斑目だけが出口に近い一番端の止まり木に移動して死人の様に俯いたまま微動だにしていない。 立山が他の者に聴こえない様に龍二の耳元で囁くように話す... 続きをみる

  • それぞれの過去・その1

    「おう幸恵、久しぶりだな。」上機嫌の斑目が、カウンターの中で止まり木(一本足のスツール)に座っている立山達の相手をしている幸恵に声を掛けた。 テーブル席で他の客についていたママさんが、驚いた顔をしてあたふたと駆け寄ってきた時には、彼らに続いて5人の若い衆が入ってきたのと同時だった。 ママさんのもて... 続きをみる

  • 父子の闘い・その31

    冴子はハヤテを抱きしめながら鞍馬父子の行く末を心底嘆いた。 今の龍にぃには、優しく思いやりがあったかった十代の頃の面影が欠片も見当たらない。たったひとりの実の息子を傷つけ、いや死なせることを目的に執念を燃やし生きている。龍にぃは暗闇に住んでいる鬼のようだ。そして、暗闇よりもっと深い地獄へと進もうと... 続きをみる

  • イブ#その28

    『ズーンww』篭ったような地響きがした。畑のど真ん中、雨上がりの水を充分に含んだ土の中に全身が呑み込まれた。駅までその音は届いただろうが、駅員は改札口でホームに戻ったイブの動向に気を取られていたのか、確かめにも来なかった。穴の中から無表情で上半身を起こし、辺りを見回したが辺鄙な片田舎、ネコの子1匹... 続きをみる

  • 父子の闘い・その15

    「ぷはっ!何ですか、これ?面白い飲み物ですね。舌にピリピリくる。」「でも、甘味もあってそんなにわるくない。」 そういって、少しずつ飲み込んでいる。(さすが、適応力あるな)と、立山がコーヒーを、飲みながら見ている。 「ここ暑いから、車に戻って飲もう。」冴子の為に、もう1本缶コーヒーを買って車に戻った... 続きをみる

  • 父子の闘い・その14

    山崎脳神経内科は市街地から少し離れた、緑の多い環境の良い処に建っていた。 まだ年数が然程経っていないようで、モダン且つ機能美を併せ持った、見た目にも綺麗な病院であった。 診察客用駐車場には、3台しか車は停まっておらず、冴子は、待合に時間が取られる事はないだろうと、ひとまず予測し安心した。 冴子と清... 続きをみる

  • イブ#その22

    今日の泥雲に埋め尽くされた空のように、赤ら顔がくすぼって見え、雄三の表情は暗かった。半年前までは雄三宅で酒を酌み交わし、まるで親子の様に打ち解け談笑していた頃とは全く別人ではないかと思える程、今までに見たこともない冴えない表情で目の前に来て「お母さんの葬式以来のご無沙汰です」かしこまって深々と頭を... 続きをみる

  • 父子の闘い・その9

    ハヤテが立山の所から帰ってくると、響親子が気忙しくバタついていた。「時間割ちゃんとした?ハンカチ持ったわね?忘れ物ないよね?」冴子の声。 「うん、大丈夫。ちゃんとしたよ。」ウンザリって感じで麗美が応え、「じゃあ、行ってきます。」と,使い込んで色がかなり褪せている赤いランドセルを背負った。 冴子の肩... 続きをみる

  • 父子の闘い・その7

    麗美は昨夜の出来事なんか忘れたようにはしゃいでいた。その原因はテーブルの上にあった。 ハヤテは秀吉に麗美の相手を頼んだのだ。少女にとって小動物は何よりの癒しになると思ったのだ。 何時も以上に不機嫌な顔で席に着いた麗美が、おもむろにトーストを齧った瞬間、目の前に現れた茶褐色の生き物に最初はパニクッて... 続きをみる

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  • 父子の闘い・その6

    「おばさ・・・冴子さん。朝食の準備がいち段落したら、信長を紹介するよー。」そう言って、生ゴミの中からキャベツの固すぎて捨てた葉っぱや、削り取ったにんじんの表皮、昨日の残飯などを、二重にした古新聞の上に寄せ集めた。結構な量になった。「後、2、3分待ってね。後は弱火にしておけばいいだけだから・・。」冴... 続きをみる

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  • イブ#その18

    果てしの無い暗闇の世界を博士は歩き続けた。そして針の先ほどの白い点が見えたから、点に向かって歩き出すと、点は次第に大きくなりやがて眩しい光となって目を瞬かせた。それは、人工的な灯り。天井に張り付いている蛍光灯のあかりだった。咄嗟に起き上がろうとしたが、全く力が入らなかった。首をひねり周りを見回した... 続きをみる

  • イブ#その15

    『ウ~wwww』公園裏にあるゴム成形工場の昼休みを告げるサイレンが鳴った。10分程して二人の工員が、手に弁当と水筒を持って公園内に入り石のベンチに並んで腰掛けた。 石田と高井は、晴れてる日には決まってこの場所で飯を食う。油か原料のゴムで汚れたのか作業服の胸から腹にかけて黒い染みとなっている。いくら... 続きをみる

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  • イブ#その11

    あの機能が働いているのは、朝食を摂っていた時に確認済みだった。そして今のジャンプでの実験は正常を裏付けしていた。パワーのオン・オフの使い分けを状況判断で切り替える機能のことだ。「じゃあイブ、この屋根の上に飛び上がってくれないか?」「ワカリマシタ」今までと表情が変わった。目つきが微妙に変化し肌の色が... 続きをみる

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