takakazuのブログ

家庭菜園と、趣味での小説

イブの決意・その13

橘が昭雄に今週の日曜日に会えないかと電話すると、即ОKとの返事が返ってきた。(こいつ、余程暇を持て余してるんだな~。そういえば俺が立哨している時、挨拶代わりに『何か面白いことないですか?』だもんな~)一度署長に注意を受けてから、長話しはできなくなったので、最近ではお互いに心得ている。空手の練習日まで待てない(というか、超人とのあれこれをふたりに話したくて抑え切れない)ので電話したのである。かといって昭雄がなにかあったのかと訊いても、のらりくらりとはぐらかす。橘は全く食えない男であった。「でな、美鞘ちゃんにも連絡しとけよ。彼女にも関係する話なんだから」と、昭雄の好奇心をくすぐる様なことを言う。「じゃあ、また前の様に俺が迎えに行って、あの時の喫茶店でいいな?」と訊くと、いきなり昭雄が「ダメダメダメwww!」と電話の向こう側で叫んできた。(なんなんだよ~、一体ww)昭雄が橘の車に乗ることに拒絶反応を起こしていることを、全く分っていない。
「あの~、美鞘さんの近くに余り流行っていないけど小さな喫茶店があるんですよ。駐車場に車が停まっているんだから、やっていると思います。店の名前?確か『ドンとコイ』だったかと・・・。どんと来てない店(苦笑)うん町道沿い。そこに10時集合ってどうですか?」了解と言って橘は携帯を閉じた。