人付き合いは殆どなし。引っ越し挨拶もお隣と数件だけ。真裏に喫茶店があるので情報収集に挨拶に行った。 マスターは私と同い年で、会社員から定年退職後出店したようだ。自治会に入らなければいけないか聞いたが 別に自由なんじゃないの?との意見。この辺一帯は自分達より年上が多く、難しい事を言う者も居ず暮らしや... 続きをみる
takakazuのブログの新着ブログ記事
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種から育てた野菜も苗で育てた野菜も今年は生育が悪い。その上虫にやられて大葉は悲惨な状態。 トマト苗も桃太郎を買ってきたのに成って来たのは桃太郎じゃない!以前生産者としてハウス栽培していたから判る。 プランターの安い培養土も影響しているのかも。でも直播きもダメって感じ。自分一人が食べるんだからいいん... 続きをみる
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まさか今日電車を乗り継ぎ、佐田駅からバスに乗ってこの野花公園に着いてすぐに博士に出会えるとは思わなかったので、イブはさすがに驚きを隠せなかった。隣に居る白衣の上に紺のカーディガンを羽織った女性が怪訝そうな表情でイブの顔をまじまじと見ている。 だがイブは博士に釘付けとなっており全く眼中にもない。即座... 続きをみる
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野花公園に来たのは今日で6日目だ。もちろん毎日車が借りられる訳では無い。 最初の1、2回は担当医の松本先生が「治療の為に」と口利きをして貰ったのもあり、事務方も快くキーを貸してくれたのだが、 最近では「伊藤さん、確かにあのワゴン車は普段使わないけどね、だからといって好きに乗り回して貰うのはどうかと... 続きをみる
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こうなると酒飲みの考えることは(天ぷらにして食べたら美味いやろな〜)でしょ?(笑) 親戚がくれた玉ねぎもある。エピを買ってきて老人の体に良くない天ぷら尽くし。 だが多分上手には出来ない。いくらYouTubeの動画を観ながらしても、そのようには行かない。 大葉はせんべいに、海老はシッポの殻なしの硬め... 続きをみる
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ミャーとの添い寝画像をupします(*^^*) 要らない?(笑)
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「私がなぜいきなり正体を打ち明けたのかと言いますと、この私の左腕にあります」そういうと右腕で下におろしている左腕の肘の部分を持って、テーブルの上に『ゴトッ』と置いた。「屋上から美鞘さんと飛び降りた際、衝撃を和らげる為に壁に打ち当てました。腕が壁に刺さり思惑通り落下の加速は防げたんですが、肘の関節部... 続きをみる
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高畑にはまだまだ謎だらけで思考が着いて行けない。イブが自分をロボットだと言うのが信じられないし、イブの話の中に出てくる怪物の正体もさっぱり訳が分からない。橘や美鞘や昭雄とは元々次元が違うのだから仕方がない。イブはこれでは前に進めないと思い、取り敢えずは自分がロボットなのを高畑に認めてもらわなければ... 続きをみる
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キリクノのメンバーを帰した後、使用中の札に差し替えて5人は応接室に入った。 高畑の隣にイブが座り、テーブルをはさんでゆったりと3名が座れるソファーに左から橘、昭雄、美鞘の順で座った。いつもなら来訪者を応接室に招くと、流れとしてイブがお茶を用意するのが普通なのだが、なぜかイブは席に着いて立ち上がろう... 続きをみる
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「ちょっと俺も外の空気吸ってくるよ」と言い残し、橘が車から降りて行った。 ふと見ると助手席にイブが座ったままでいる。昭雄は「イブさん、休憩とらないんですか?」と声を掛けた。昭雄は既に橘から成り行きを聴いていたので、イブが自分はロボットだと打ち明けた後、どういう行動をとるのか気になった。そして突然打... 続きをみる
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コンビニに着いて駐車場に車を停めると、疲れ切った表情でキリクノのメンバーが降りて行った。昭雄は、まだ起き上がれないでいる美鞘を心配そうに見ている。美鞘は意識はしっかりしていて目も開けているのだが、ショックが尾を引いていて、その影響が体を思うように動かせない状態にしているようだ。昭雄が声を掛けるが、... 続きをみる
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高畑の運転するワゴン車は、工場が見えなくなるまでかなりのスピードで突っ走った。今の日本はどんな細い交通量の少ない道や農道でも舗装されている。されていないとすれば、けもの道くらいだ。私の在所では、一昔前までは年に2回出合いがあって未舗装のくぼみにスコップで小砂利を敷き、地均しする作業を半日掛けてやっ... 続きをみる
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10メートル先のフェンスまで突っ走るしか残されている先はない。その道は限りなく絶望へ向かう終着点だった。5メートルほど走って後ろを振り返った。 極彩色の怪物が機械群から抜け出て来たところだった。この時ほど、悪い夢であってほしいと願ったことはなかった。しかし走りながらだから、背景がブレて見える一瞬だ... 続きをみる
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イブが階段の踊り場で腰をかがめて屋上の様子を窺う。既にイーグル・アイは元に納めている。 ドアの向こう側からグレート・デストロイの声が聞こえて来たのには驚いた。人間の姿を解き、正体を露わにしたのだ。そして話している相手が美鞘であることは、ほぼ間違いない。彼が元来の姿を見せたのなら必ず美鞘は始末される... 続きをみる
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最近、原因不明の脱毛症に悩んでいる。 もちろん頭髪が少なくなってるのは承知の上だが、眉毛がほとんど抜け落ちた。 自分より年老いた人や、同い年の友人を見ても、頭髪はなくても皆眉毛は健在だ。 私の4個上の先輩も太い眉毛を蓄えて?いる(笑)彼に事情を話すと、私の顔をしげしげ見ながら「年を取るほど眉毛は伸... 続きをみる
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美鞘は自分が一般人より身体能力が優れているという自信があった。だが、目の前にいる怪物は人ではない。人としてのデーターは全く参考にならない。未無来社長の姿のままなら発揮できない力が原形に戻ったことにより解放されたとしたら、太刀打ちできない気がした。半面、いまの自分は、猫に対する鼠のような存在だが、鼠... 続きをみる
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美鞘は怪物を見た瞬間、完全に戦意を失った。圧倒され、呑み込まれた。おそらく剣を手にしていたとしても、怯えて体が動かなかっただろう。 体中、ギラギラと異様な色彩。青を主体に紫と赤と緑の縞模様。まるでトカゲの親玉。背丈は2メートルを超えているだろう。体格は地球上の生物で例えるなら月の輪熊。その上、手足... 続きをみる
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イブは聴力を最大限にして、女子トイレの洗面台の前で片膝をついている。幸いにも工場内は製造エリア以外、水を打ったように静かだ。 微かにヒタリ、ヒタリと靴音が聴こえる。だが、その靴音が美鞘のものだとの確証はない。玄関の陰で素早く組み立てたイーグル・アイを再び使った。 このトイレに辿り着くのにも使ったの... 続きをみる
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(まずい、皆が車に戻りかけてる)急いでワゴンまで戻り、着替えなければ正体がばれる。衣服は車の中に置いてきた。人工頭脳が目まぐるしく計算し出した。元のコースを辿ると、レベル2で駆けても間に合わないし危険だ。戻らず突き進む方に賭けようと思い、そっとドアを開け屋外に出た。辺りを警戒しながら見渡したが人影... 続きをみる
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イブは全体に星が散りばめてあるような巨大なタンクを見上げていた。移動しながら観察すると、光の屈折で作用するのか、本体の色が滑らかに変化していく。だから、この金属の持つ本来の色は分からない。もしかすると、この虹色が本来の地色なのかもしれないとイブは思った。 多分だがこの中に地球人を滅ぼす素となる物が... 続きをみる
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鉄製のドアを少し開け中の様子を窺った。人間であれば感の鋭い者なら、人や動物の気配を察する者もいるだろうが、イブはロボットだ。視得た物、聴いたものだけが人工頭脳の機能の対象となる。そういう点では、機械より人間の方が優れていると云える。ただ、心臓部で常にエネルギーを供給している地球外物体の『赤い石』は... 続きをみる
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イブの人工頭脳がこの先の行動を模索する。リフターがひとり作業中。荷積み中のトラック運転手は運転台から降りて、その作業を見ている。 荷積みの順番待ちをしている残り2台の運転手たちは、各々トラックの中で待機中である。 彼らの前を走り抜けるのか、それともジャンプをするのか?ジャンプした場合どうしても一度... 続きをみる
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美鞘たちが応接室で未無来社長と会話をしている頃、イブはワゴン車の中にいた。まさか工場内に入らず、車中に残っているなどと、会社側は思わないだろう。 いかに警備員でも大勢乗っている来訪者の一人ひとりをチェックすることはできない筈だ。イブは高畑に薬の効果が現れ、頭痛が治まるまで車内で休んでいたいと願い出... 続きをみる
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イブはグレートデストロイと対峙するかもしれないからと、自室のクローゼットの片隅に隠している布バッグを持って来ていた。 その中から手のひらサイズのメイクケースを取り出すと、蓋を開けて黄色いコスチューム引っ張り出した。それを目の前に翳すと目にも止まらぬ早さで着替えた。(あっ、この色。こんな時には目立ち... 続きをみる
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未無来社長の後に付いて、一行はぞろぞろと歩いて行く。オートメーション化された真新しい近代的な設備が、天井の照明を反射して眩しい。 進行方向に隙間なく茶色の瓶が並んで移動していく様は、感動すら覚える。要所要所で停止し金属製のノズルが下りて適量の液体を注入していく。 それを規則正しく繰り返している。ス... 続きをみる
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総務の中村が湯呑に冷茶を入れた大きな盆を持って入って来た。 みんなで礼を言って飲みながら、社長の話を聞いている。 「うちの工場は現在『ギガ』のみ製造しています。24時間体制で稼働していますが、それでも間に合わない程好調な売れ行きなので、増設を予定してます。製造過程は全てオートメーション化されていて... 続きをみる
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あまり意識せずに下書きの完了ボタンを押し、その後に公開ボタンを押すのですが何らかのアクシデントで未公開のままになっている章が複数見つかりました。これは小説としては致命的ミス。申し訳ありませんでした。
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そこのお嬢さんとはどこかでお会いしたことがあると言われ、美鞘は背中に冷や汗が流れた。 ミラクルドリンク・ギガが大好評で売れているので、最近TVによく出ていて顔は承知している。 しかし目の当たりに見る社長の印象は全く違って見えた。「えっ?そうですか?・・・。私のような顔立ちの女の子はたくさんいますよ... 続きをみる
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コンビニを出て工場に向かった一行は、正門を抜けて警備室前で停まった。高畑だけが降り、窓口で手続きを済ませて来た。駐車場に向かうと未無来製薬のロゴが入った社用車が3台停まっており、警備員に預かった駐車カードの番号のスペースに停めた。既に社員がひとり出迎えに来ていた。応接室に案内され、キリクノのメンバ... 続きをみる
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昭雄と美鞘もとりあえずはワゴン車を降りて、外の空気を吸おうとコンビニの方に歩いて行った。 こんな田舎でも駐車場には乗用車が3台停まっている。キリクノの連中は既に店内に入ったらしく姿が見えない。ふと見ると店の外に設置してある吸い殻入れの前に橘が立っていた。 橘のタバコを吸っている姿をふたりとも見たこ... 続きをみる
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都内では通勤時間帯で少しの区間、渋滞に巻き込まれたが、そんなことはすべて織り込み済だったから、高畑の運転は落ち着いたものだった。そのうちに都心から山間部に向かう程に交通量は少なくなってきて、快適に走行することができた。 出発して1時間ほど経った頃、目的の工場が見えて来た。広大な敷地に、真新しい3階... 続きをみる
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その夜の橘ら3人は、なかなか寝付けなかった。自宅でなかったことも勿論あるが、明日は、いよいよ敵陣営に乗り込むのだ。平常心でいられるわけがない。 最悪の場合、対決するかもしれないし、そこで命を喪うかも知れないのだ。 10畳ほどの宿泊室、二部屋に男女が分かれて就寝した。 事務所や応接室に、適当に寄り集... 続きをみる
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美鞘が熱い視線を送る、完璧な容姿を持つイブという女性とは。 科学技術界きっての天才と称されながら、変わり者・異端児と疎まれ、消息を絶つように辺鄙な山の一軒家に研究室を設けて、所 典夫が造り上げた超人型ロボットだ。 イブは人工頭脳に感情回路を組み込まれているので自己進化を続けることができる上、心臓部... 続きをみる
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夜の8時前、橘ら一行はライトオン・ミュージックのビルにある、応接室にいた。 マネージャーの高畑と事務員のイブが出迎えてくれ、橘達の為に気を利かせサンドイッチとコーヒーがテーブルに並べてあった。皆は、というより橘は、その好意に殊の外感謝し喜んだ。「たぶん橘さんのことだからと思ってね」と屈託なく笑い、... 続きをみる
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橘と昭雄が対座シートに並んで座り、対面に美鞘が座っている。彼らは東京行きの急行列車に乗り込んだ。彼らの最寄駅からではローカルしか停まらないので、時間を考慮して長野駅まで橘の車は足を延ばした。 名目上、学校新聞記者として訪問する訳だから私服ではなく、昭雄はカッターシャツに学生ズボン。それに、いつもの... 続きをみる
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昭雄が学校から帰ると、それを待っていたかの様に電話が掛かってきた。受話器を取り「もしもし・・・」と言うが早いか、「おう!昭雄か!俺だ、俺だ!」馴染の声が耳に響いて痛い。橘は地声が大きいうえに話し方が荒っぽい。つい、受話器を耳から数センチ離した。「今日の昼な、高畑マネージャーから携帯に掛かってきたぞ... 続きをみる
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昨夜、女学生の由紀の血を吸い取り、工場敷地内にある未無来しか入ることが許されない建屋に入って巨大なタンクに排出した。そして、工場の近くの山に隠してある宇宙船の中のカプセルに入り一夜を過ごした怪物が事務所に戻った。一番奥にあるデスクの椅子に座ると総務の中村が、書類を持って前に立った。「社長、例のキリ... 続きをみる
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「どうぞ、みてもらっても構いません」美鞘は無造作に剣を差し出した。イブが一歩前に出る。手の平を剣の下に持っていき、美鞘が握っている手を離せば落下し、必然的にイブがキャッチする構図だ。美鞘が手の指を全部広げた。剣がイブに渡った瞬間「あっ!」と言う声とともにイブに体勢が崩れ、そのまま床に激突して『ガゴ... 続きをみる
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「あっ、いえ・・・」キリクノのコンサートでの替え玉騒動で、何もしていなかった昭雄は恐縮し、消え入るような小さな声で応えた。 昭雄は今でも、あの時とった対策が良かったのか悪かったのか、よくわからない。だが、キリクノのファンを欺いた事に変わりはない。昭雄は因果応報はこの世に存在していると思っているから... 続きをみる
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黒のレディス・スーツをスタイリッシュに極めたモデル並みの女性が高畑と供に歩いてきた。ライトオン・プロダクションのビルにあるロビーだ。 橘と昭雄は所属しているタレントや歌手の大型パネルに魅入られて全く気がつかない。 美鞘だけは、すぐに気付き、彼等が目の前に来るまでじっと目を離さず、その女性の一挙一動... 続きをみる
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それから数日間がなにごともなく去り、美鞘はいつものように昼休みの図書室に行くと昭雄が既に居た。「よっ!早いね」と手を上げて同じテーブルの椅子に座る。「実は昨日橘さんから連絡があったんだ。携帯で電話かメールを送ろうと思ったけど、急ぎでもないし会って話そうかと思ってね」図書室にはいつも通り、殆ど利用者... 続きをみる
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「ところでさ、美鞘ちゃん。剣術の練習はどうしてんの?」と橘が訊いた。「え~と、ですね。今の学校には女子剣道部がないんですよ。だから放課後一旦家に帰り、日が沈むまで人気のない場所まで行って、やってます」淡々と答える。「あ~そうか~。でもひとりだけで練習していても上手くならないんじゃないの?相手がいな... 続きをみる
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「おっ、そうだ」橘は携帯を取り出した。昭雄は未だにスマホではなくガラケーの携帯を使っている橘を見てホwwッと声に出さず息を吐いた。(私もガラケー^^) 「早速高畑さんに電話で訊いてみるわ」ふたりは頷く。ボタンを操作し耳に当てて暫くすると、高畑が電話に出たようだ。 「あwwもしもし、橘です。先日はど... 続きをみる
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昭雄と美鞘は同じように小首を傾げ眉根の中央に皺を寄せた。橘は話を切り、正面からふたりの表情を面白そうに見ている。 先に、もぞもぞとぎこちなく肩を揺らし口を開いたのは、やはり昭雄であった。言われた事を一旦プールして、自分なりの考察をはしょるタイプだ。 彼の場合、答える相手が居るのなら訊けばいい。とり... 続きをみる
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「まだ数ヶ月しか経っていないからお前たちの記憶に残っていると思うが黄色のダイバー・スーツのようなもの着た女性が、人並み外れた脚力、跳力を駆使して国道を走り抜け、それを目の当たりに見た市民をパニック状態にした。興味を持ったメディアが目撃者の証言をもとに辿っていくと、角川市の野花公園から双葉神社まで約... 続きをみる
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9時50分、昭雄は『喫茶ドンとコイ』に着いた。自転車を店の玄関脇に停める。店主の手作りなのか、厚めの板に墨で黒々と極太の文字が躍っている看板がドアにぶら下がっている。現在駐車場には見たことのあるオンボロの軽自動車が一台と、店主の物であろうライトバンが一番店から離れた所に停めてある。 中に入ると店自... 続きをみる
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橘が昭雄に今週の日曜日に会えないかと電話すると、即ОKとの返事が返ってきた。(こいつ、余程暇を持て余してるんだな~。そういえば俺が立哨している時、挨拶代わりに『何か面白いことないですか?』だもんな~)一度署長に注意を受けてから、長話しはできなくなったので、最近ではお互いに心得ている。空手の練習日ま... 続きをみる
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橘が家路に着いたのは午後5時前。家路といっても安アパートに、だ。実家は北海道の登別。自然に溢れてると云ったら聞こえはいいが、何もない辺鄙なド田舎だ。そんな所に嫌気が差して中学を卒業して直ぐに長野の親戚の家に下宿したのだった。両親は健在で、農業を営んでいる。時々は、橘のもとへ森で狩をした鹿や熊の肉を... 続きをみる
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イブは全く不本意だと思った。突然現れた橘と云う警察官によって、どんどん目的が脇道に逸れてしまう。イブ的にはキリクノにグリーン・ビッチ製の剣を持った少女の素性を訊きたいだけなのだ。この事務所に出入りしているだろうから、玄関前付近で何気なく待っていて、彼女たちが現れたら話しかけようと思っていた。その機... 続きをみる
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「いや、どうもお待たせしました」応接室のソファーに座っている橘とイブに声をかけ、高畑が対面のソファーに掛ける。 彼等が書斎をでて5分ほど、殆ど待っていると云うほど時間は経っていなかったのだが。 「社長と相談した結果、採用させて頂くこととなりました」そういってイブの反応を見る。 なるほど、殆ど表情に... 続きをみる
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未無来がスクランブル交差点で観たトピックを、同日の夜遅くに放送する報道番組でイブも観ていた。 イブは自分が勤めているスーパーで、あの怪物の来訪を受けた日以降、ニュースや報道を常に神経を尖らせみていた。 イブのなかの赤い石は、未無来が宇宙的に恐れられる『グレート・デストロイ』と同一の生物だと瞬時に認... 続きをみる
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暫くの間ギターやパーカッション、シンセサイザー等の調節音が聞こえて来て、(おおー、間もなくやな~ワクワク)という心境。「皆さん!長らくお待たせ しましたー!キリキリくノ一隊の登場です!盛大な拍手でお迎えくださいー!」 照明が消されて暗闇だった舞台が、突然大音響と色とりどりのレーザー光線によって、一... 続きをみる
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刀に疑惑が及ばず一先ずホッとしてお互い微笑んだところで、開場となった。ガードマンの指示に従い、順次入って行く。割り込む者も無く皆礼儀を わきまえている。ガードマンは橘と顔見知りらしく、顔を見るなり敬礼をした。 橘のグループと言う事でノーチェックで入れた。指定の座席はいわゆるカブリツキ (正面、最前... 続きをみる
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昭雄は思ってもみない絶好のチャンスが訪れたと思った。チケットを片手に美鞘に電話した。美鞘もとても喜んで、どんな事があっても必ず行く~!なんて、はしゃいでいる。 美鞘は単純にコンサートを観に行ける事が嬉しいのだ。まっいいか~と昭雄。 『キリくノ隊』のライブ・コンサートは観客のコスプレで有名なのだ。忍... 続きをみる
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昭雄は美鞘の目をじっと見つめて聞き入った。そして美鞘が飲み物を口に運んで一息着いたのを見て、微笑んでこう言った。「美鞘さん。僕で良けりゃあ喜んで協 力させてもらうよ, どんな些細なことでも遠慮なく言ってくれていいよ。」「おそら く途轍もなく強い相手だと思うけど、その剣の力さえ発動することが出来るな... 続きをみる
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気がつけば、太陽は二人の真上から強烈な光射を降り注いでいた。幾ら木陰に居てもちょっとキツイ。「暑いね~!北見さん、僕ん家に行こうか~.。此処よりかマシだよ?」「え?」ちらっと家を見た。(どうしようか~?)「用事ある の?」っと昭雄。「僕、母さんと二人暮らしなんだけど母さんパートに行ってて 居ないん... 続きをみる
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美鞘はワザと(やれやれ・・・)という顔付きをして立ち上がった。 昭雄はニコニコ笑って目を輝かせている。ガッツも嬉しそうに尻尾を振っている。 「じゃあ、やるかー!」」美鞘は気合の入った声を上げた。何が始まるのか 浮き浮き顔で昭雄が観ている。美鞘は「シュッ」と剣を鞘に収めた。すると柄と鞘との境目が溶け... 続きをみる
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晴れ渡る空、木漏れ日の中。早朝の爽やかな、そよ風が心地よい林の中に美鞘は背筋を伸ばし立っている。小鳥が楽しそうにピーチク囀ってる。 両手を大きく広げ深呼吸を数回・・・空気が体に染み込む様だ。(美味い!)目を閉じ無想・・精神統一。あらゆる概念が消え自分自身のみになる。 「よし!」目をひらく。少しず... 続きをみる
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はや夏休み~! 引越しや転校した学校、ご近所の挨拶回りやお付き合いなんかで、瞬く間に月日が過ぎていった感がある。やっと落ち着いたと思ったら夏休み。 でもこれっていいかも~。月光の剣を試す時! 学校から帰って家に居る時は剣を片時も離さないでいた。自分の一部と化、しようと心掛けたのだ。間違いなく近い将... 続きをみる
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一体どうなっているのか?抜き身自体が色光を放っている。不思議で魅力的なそのやいばに一同は目を奪われた。ハッと我に返った美鞘が、 皆に「もうここを出よう。」と促した。お昼前、暗い祠から急に明るい所に戻ったので、皆一様に目を細め顔をしかめた。ふと美鞘はこの剣がどれほどの切れ味を持っているのか試してみた... 続きをみる
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「こんちわ~」店の戸をガラガラと開けて立山が奥に声を掛けた。すぐに冴子の返事があり居間のガラス戸が開いた。「どう?無事だった?」いつになく真剣な表情で全身を見回してくる。立山は苦笑しながら「ああ、何とか五体満足で帰って来られたよ。危ないところを龍二さんに助けてもらった」「龍にいに?へ~!」「だが清... 続きをみる
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とりあえず立山は家に帰った。まだら組の事務所に随分長い時間居た気がしたが、一時間も経っていなかった。外食しても良かったが昨夜、妻の幸恵に話してあったから心配しているに違いない。携帯で無事を告げても良かったが、ハヤテを迎えに行くのには早すぎる。一旦、家に戻って出直しても充分間に合うし、無駄なお金を使... 続きをみる
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美鞘が選ばれし者だと分かった日から、継子は美鞘をどのように育てていけばよいのか日々悩んでいた。そんな親の思いをよそに、娘は日を追う毎に心身共々すくすくと成長し、目を瞠る程に輝きを増してくるのであった。小学校を卒業する頃には、並みのアイドル顔負けの端整な容姿を備えていた。本人はそんなことはお構い無し... 続きをみる
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今更すみませんm(_ _)m。下書きのままでした。残念ながら継正は選ばれし者ではない。月光の様に変化する抜身を一度でも観てみたいと弟子たちを、また集合させて両端から綱引きの要領で引っ張ったがピクリともしなかった。第一にツバがないから柄と鞘との境目が分からない。どれ程丹念に視ても一本の杖としか思えな... 続きをみる