takakazuのブログ

家庭菜園と、趣味での小説

2020年4月のブログ記事

  • (第2章)親子の和解・其の5

    いつも娘とふたりだけだから、居間に小さな形ばかりのテーブルがちょこんと置いてあるだけなんだが、大人(中学生でも)4人がこのテーブルを囲むにはキツイものがある。キッチンには大きめのテーブルがある。この際お客様扱いの概念を取っ払い、内うちの集会って形にしようと冴子は都合よく考える事にした。最初に自分の... 続きをみる

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  • 「君を忘れない」松山千春

    君は砕け散った夢のカケラ ひとつひとつ小さなその手で集め いいさやり直すと 笑っていた君の頬に涙をみたよ 「どうして生きているの?」君は僕に尋ねたけど 答えを急ぐことはない やがて分かるから  僕も諦めない 何度だって立ち上がろう 恐れるものなどないさ 君を忘れないよ 互いの道歩こうとも どこかで... 続きをみる

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  • (第2章)親子の和解・其の4

    「それで?立山さん。この子を連れてここに来たのは何らかの理由があるって顔よね?」さすがに冴子は鋭い読みをする。 立山は、右頬を人差し指でポリポリ掻いて、苦笑しながら「実はこの子、ハヤテがフル装備して飛んで行くところを目の当たりにしてるんだよ」と、厄介な事が起こったと云うニュアンスで話す。「えっ?マ... 続きをみる

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  • 夕陽のガンマン

    (チャールトン・ヘストン主演のSFアクション・オメガマン)は~~。あまりにも退屈過ぎて死にそうだったので、地元のコミュニティセンターに勤めている同級生のところに電話をすれば、「今誰もいないから遊びに来れば?」 とのことで、出掛けた。彼とは同じ時代を生きたことで、音楽や映画の好みも似ていて話題が尽き... 続きをみる

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  • [雨の物語」詩・伊勢正三 歌・イルカ

    化粧する君の その背中がとても 小さく見えて しかたないから 僕はまだ君を 愛しているんだろう そんな事ふと 思いながら 窓の外は雨 雨が降ってる 物語の終わりに こんな雨の日似合い過ぎてる 誰もが物語 その1ページには 胸弾ませて 入っていく 僕に部屋の ドアに書かれていたはずさ 『とても悲しい... 続きをみる

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  • (第2章)親子の和解・其の3

    冴子がまっとんを不思議そうに見ている。初めて見る顔だ。しかもまだ若いから、骨董品なんかに興味を持って、来店したとは思えない。 状況を推測するに、麗美はこの青年を知っている。同じ中学校なのだろうか? 店には一見の客はよく入ってくる。いつの間にか入って、棚を一通り見て帰っていく。気に入った物があれば呼... 続きをみる

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  • 道化師のソネット(さだまさし)

    笑ってよ、君のために。笑ってよ、僕のために。 僕たちは小さな舟に、哀しみという荷物を積んで 時の流れを下っていく、舟人たちのようだね。 君のその小さな手には、持ちきれないほどの哀しみを せめて笑顔が救うのなら、僕はピエロになれるよ。 笑ってよ、君のために。笑ってよ、僕のために。 きっと誰もが、同じ... 続きをみる

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  • 会社が休みでも何処にも出られず

    夜勤明けから合わせて二日と半日休みでしたが、コロナのせいで不要不急な時は外出自粛を実施。 いつもなら友人と近くの喫茶店でモーニングコーヒー飲みながら、時間つぶししているんですが、極力出歩かない様心得ました。 実は今日家の有線放送で(毎朝7時半に役場や教育関係が町内の情報を知らせてくれる)、町内で2... 続きをみる

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  • (第2章)親子の和解・其の2

    「ちょっと、響に行ってくる」と、立山。まっとんは玄関で既に靴を履き「お邪魔しましたー」と声を掛けたが、どちらの声掛けにも幸恵の返事は聞こえてこなかった。 路地から本道に出て二つ目の信号を左折れしたら、『骨董品古物商・響』のデカい看板が、目に飛び込んだ来た。築100年は経っていそうな重厚で渋みのある... 続きをみる

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  • (第2章)親子の和解・其の1

    「じゃあ、行くとするか?え~っと、あっ!名前聞いてなかったな?」立山が驚いたようにまっとんの顔を繁々見て、「あww、済まなんだ。まさか、こういう流れになるとは思わなんだから、男前とかお前さんとか君とか呼んで済ませとったわ」「ワシは立山圭太や、あんたは?」「失礼しました。自己紹介が遅れました。僕は、... 続きをみる

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  • (第1章)親子の死闘・其の10

    「これからの執筆作業にお前さんの協力がどうしても必要になる。協力してもらうには、ワシ自身の恥も晒さなきゃならない。それを洗いざらい晒して軽蔑されようが、今更過去に戻って無かった事にできないからな。ちょっとした覚悟のようなもが要る。ただ、腹の中で軽蔑しているとしても、記事が本となり、世に出るまでは我... 続きをみる

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  • (第1章)親子の死闘・其の9

    二人ともラーメンの汁を全部飲み干し、満足気にひと息吐いた。 「あ〜、美味かったな、おい」「はい、美味かったすね〜」顔を見合わせて微笑んだ。 発泡スチロールの容器を重ねて隅っこに片付けながら、「お前んちは、ここから遠いのか?あの公園の近くなら同じ名古市内でも、距離的には結構あるな」「ここは松田町です... 続きをみる

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  • (第1章)親子の死闘・其の8

    まっとんは思った。おそらく奥さんはラーメン作りを拒否したのだろう。しかし不器用な立山が中学生とはいえ客人に食欲をそそるラーメンを作れるとはとても思えない。かくなる上はと、コンビニへ走ったのだと想像する。「嫁のまずい料理を食べて、腹でも壊されたら適わんからな。近頃のカップ麺は店で食べるのと変わらん位... 続きをみる

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  • 栽培中の野菜について色々書きたい事がありまして。

    昨日、ホームセンターに行ったら西瓜の苗が売っていました。衝動買いをしてしまいました。大玉と小玉、値段は同じ198円。欲の張った私は、大玉を選んだんだけど、上手く栽培できていざ食べる段になれば、独り者なら小玉のほうがいいでしょうね~(笑) ジャガイモの生育が目覚ましく、もっと深いプランターにするべき... 続きをみる

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  • (第1章)親子の死闘・其の7

    まっとんの見ている雑誌は【週刊実態】という、スクープを写真と解説で構成する週刊誌。やくざの抗争や風俗、はたまた芸能界の裏側を、まことしやかにルポしていて、その手が大好きな暇を持て余している読者をお得意様としている。 眉唾物も多いが、時に物凄い大ネタを載せることもこの業界では知れ渡っている。 しかし... 続きをみる

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  • (第1章)親子の死闘・其の6

    まさか、目に映る全ての景色の中で、ここだけは無いだろうとまっとんが思った家屋の敷地に立山の軽自動車は申し訳なさ気にトロトロと入っていった。 心の中で思わず溜息が出た。崩れかけたあばら家との形容詞があまりにもピッタリくる家だと内心思った。車を停め立山が出たタイミングでまっとんも降りた。 立山は無言で... 続きをみる

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  • (第1章)親子の死闘・其の5

    車内と云うのは、なんとなく運転手の性格が顕れるものだ。狭い空間にたくさんの物が置けるわけではない。それでも乗っていて気持ちの良い車内、なんとなく不潔だと感じる車内。それと共に、乗った瞬間から、降りたい衝動に駆られるほど鼻を突く臭いが染み付いている車。降りられない状況なら、さり気なく窓を空かして外の... 続きをみる

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  • (第1章)親子の死闘・其の4

    ポカ〜ンと立山の後ろ姿を見ていたまっとんだが、ドアを開けて立山が視界から消えてようやくスイッチが切り替わった。 目をパチクリして暫く不動の姿勢でいたが、思い立った様に席を立ち急ぎ足で店を出た。立山は元きた道を背中を丸めズボンのポケットに手を突っ込んで歩いている。ダッシュかければあっという間に追いつ... 続きをみる

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