2022年4月のブログ記事
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ミャーとの添い寝画像をupします(*^^*) 要らない?(笑)
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「私がなぜいきなり正体を打ち明けたのかと言いますと、この私の左腕にあります」そういうと右腕で下におろしている左腕の肘の部分を持って、テーブルの上に『ゴトッ』と置いた。「屋上から美鞘さんと飛び降りた際、衝撃を和らげる為に壁に打ち当てました。腕が壁に刺さり思惑通り落下の加速は防げたんですが、肘の関節部... 続きをみる
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高畑にはまだまだ謎だらけで思考が着いて行けない。イブが自分をロボットだと言うのが信じられないし、イブの話の中に出てくる怪物の正体もさっぱり訳が分からない。橘や美鞘や昭雄とは元々次元が違うのだから仕方がない。イブはこれでは前に進めないと思い、取り敢えずは自分がロボットなのを高畑に認めてもらわなければ... 続きをみる
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キリクノのメンバーを帰した後、使用中の札に差し替えて5人は応接室に入った。 高畑の隣にイブが座り、テーブルをはさんでゆったりと3名が座れるソファーに左から橘、昭雄、美鞘の順で座った。いつもなら来訪者を応接室に招くと、流れとしてイブがお茶を用意するのが普通なのだが、なぜかイブは席に着いて立ち上がろう... 続きをみる
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「ちょっと俺も外の空気吸ってくるよ」と言い残し、橘が車から降りて行った。 ふと見ると助手席にイブが座ったままでいる。昭雄は「イブさん、休憩とらないんですか?」と声を掛けた。昭雄は既に橘から成り行きを聴いていたので、イブが自分はロボットだと打ち明けた後、どういう行動をとるのか気になった。そして突然打... 続きをみる
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コンビニに着いて駐車場に車を停めると、疲れ切った表情でキリクノのメンバーが降りて行った。昭雄は、まだ起き上がれないでいる美鞘を心配そうに見ている。美鞘は意識はしっかりしていて目も開けているのだが、ショックが尾を引いていて、その影響が体を思うように動かせない状態にしているようだ。昭雄が声を掛けるが、... 続きをみる
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高畑の運転するワゴン車は、工場が見えなくなるまでかなりのスピードで突っ走った。今の日本はどんな細い交通量の少ない道や農道でも舗装されている。されていないとすれば、けもの道くらいだ。私の在所では、一昔前までは年に2回出合いがあって未舗装のくぼみにスコップで小砂利を敷き、地均しする作業を半日掛けてやっ... 続きをみる
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10メートル先のフェンスまで突っ走るしか残されている先はない。その道は限りなく絶望へ向かう終着点だった。5メートルほど走って後ろを振り返った。 極彩色の怪物が機械群から抜け出て来たところだった。この時ほど、悪い夢であってほしいと願ったことはなかった。しかし走りながらだから、背景がブレて見える一瞬だ... 続きをみる
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イブが階段の踊り場で腰をかがめて屋上の様子を窺う。既にイーグル・アイは元に納めている。 ドアの向こう側からグレート・デストロイの声が聞こえて来たのには驚いた。人間の姿を解き、正体を露わにしたのだ。そして話している相手が美鞘であることは、ほぼ間違いない。彼が元来の姿を見せたのなら必ず美鞘は始末される... 続きをみる
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最近、原因不明の脱毛症に悩んでいる。 もちろん頭髪が少なくなってるのは承知の上だが、眉毛がほとんど抜け落ちた。 自分より年老いた人や、同い年の友人を見ても、頭髪はなくても皆眉毛は健在だ。 私の4個上の先輩も太い眉毛を蓄えて?いる(笑)彼に事情を話すと、私の顔をしげしげ見ながら「年を取るほど眉毛は伸... 続きをみる
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美鞘は自分が一般人より身体能力が優れているという自信があった。だが、目の前にいる怪物は人ではない。人としてのデーターは全く参考にならない。未無来社長の姿のままなら発揮できない力が原形に戻ったことにより解放されたとしたら、太刀打ちできない気がした。半面、いまの自分は、猫に対する鼠のような存在だが、鼠... 続きをみる
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美鞘は怪物を見た瞬間、完全に戦意を失った。圧倒され、呑み込まれた。おそらく剣を手にしていたとしても、怯えて体が動かなかっただろう。 体中、ギラギラと異様な色彩。青を主体に紫と赤と緑の縞模様。まるでトカゲの親玉。背丈は2メートルを超えているだろう。体格は地球上の生物で例えるなら月の輪熊。その上、手足... 続きをみる
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イブは聴力を最大限にして、女子トイレの洗面台の前で片膝をついている。幸いにも工場内は製造エリア以外、水を打ったように静かだ。 微かにヒタリ、ヒタリと靴音が聴こえる。だが、その靴音が美鞘のものだとの確証はない。玄関の陰で素早く組み立てたイーグル・アイを再び使った。 このトイレに辿り着くのにも使ったの... 続きをみる
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(まずい、皆が車に戻りかけてる)急いでワゴンまで戻り、着替えなければ正体がばれる。衣服は車の中に置いてきた。人工頭脳が目まぐるしく計算し出した。元のコースを辿ると、レベル2で駆けても間に合わないし危険だ。戻らず突き進む方に賭けようと思い、そっとドアを開け屋外に出た。辺りを警戒しながら見渡したが人影... 続きをみる
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イブは全体に星が散りばめてあるような巨大なタンクを見上げていた。移動しながら観察すると、光の屈折で作用するのか、本体の色が滑らかに変化していく。だから、この金属の持つ本来の色は分からない。もしかすると、この虹色が本来の地色なのかもしれないとイブは思った。 多分だがこの中に地球人を滅ぼす素となる物が... 続きをみる
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鉄製のドアを少し開け中の様子を窺った。人間であれば感の鋭い者なら、人や動物の気配を察する者もいるだろうが、イブはロボットだ。視得た物、聴いたものだけが人工頭脳の機能の対象となる。そういう点では、機械より人間の方が優れていると云える。ただ、心臓部で常にエネルギーを供給している地球外物体の『赤い石』は... 続きをみる
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イブの人工頭脳がこの先の行動を模索する。リフターがひとり作業中。荷積み中のトラック運転手は運転台から降りて、その作業を見ている。 荷積みの順番待ちをしている残り2台の運転手たちは、各々トラックの中で待機中である。 彼らの前を走り抜けるのか、それともジャンプをするのか?ジャンプした場合どうしても一度... 続きをみる
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美鞘たちが応接室で未無来社長と会話をしている頃、イブはワゴン車の中にいた。まさか工場内に入らず、車中に残っているなどと、会社側は思わないだろう。 いかに警備員でも大勢乗っている来訪者の一人ひとりをチェックすることはできない筈だ。イブは高畑に薬の効果が現れ、頭痛が治まるまで車内で休んでいたいと願い出... 続きをみる
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イブはグレートデストロイと対峙するかもしれないからと、自室のクローゼットの片隅に隠している布バッグを持って来ていた。 その中から手のひらサイズのメイクケースを取り出すと、蓋を開けて黄色いコスチューム引っ張り出した。それを目の前に翳すと目にも止まらぬ早さで着替えた。(あっ、この色。こんな時には目立ち... 続きをみる
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未無来社長の後に付いて、一行はぞろぞろと歩いて行く。オートメーション化された真新しい近代的な設備が、天井の照明を反射して眩しい。 進行方向に隙間なく茶色の瓶が並んで移動していく様は、感動すら覚える。要所要所で停止し金属製のノズルが下りて適量の液体を注入していく。 それを規則正しく繰り返している。ス... 続きをみる
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総務の中村が湯呑に冷茶を入れた大きな盆を持って入って来た。 みんなで礼を言って飲みながら、社長の話を聞いている。 「うちの工場は現在『ギガ』のみ製造しています。24時間体制で稼働していますが、それでも間に合わない程好調な売れ行きなので、増設を予定してます。製造過程は全てオートメーション化されていて... 続きをみる
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あまり意識せずに下書きの完了ボタンを押し、その後に公開ボタンを押すのですが何らかのアクシデントで未公開のままになっている章が複数見つかりました。これは小説としては致命的ミス。申し訳ありませんでした。
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そこのお嬢さんとはどこかでお会いしたことがあると言われ、美鞘は背中に冷や汗が流れた。 ミラクルドリンク・ギガが大好評で売れているので、最近TVによく出ていて顔は承知している。 しかし目の当たりに見る社長の印象は全く違って見えた。「えっ?そうですか?・・・。私のような顔立ちの女の子はたくさんいますよ... 続きをみる
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コンビニを出て工場に向かった一行は、正門を抜けて警備室前で停まった。高畑だけが降り、窓口で手続きを済ませて来た。駐車場に向かうと未無来製薬のロゴが入った社用車が3台停まっており、警備員に預かった駐車カードの番号のスペースに停めた。既に社員がひとり出迎えに来ていた。応接室に案内され、キリクノのメンバ... 続きをみる
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昭雄と美鞘もとりあえずはワゴン車を降りて、外の空気を吸おうとコンビニの方に歩いて行った。 こんな田舎でも駐車場には乗用車が3台停まっている。キリクノの連中は既に店内に入ったらしく姿が見えない。ふと見ると店の外に設置してある吸い殻入れの前に橘が立っていた。 橘のタバコを吸っている姿をふたりとも見たこ... 続きをみる
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都内では通勤時間帯で少しの区間、渋滞に巻き込まれたが、そんなことはすべて織り込み済だったから、高畑の運転は落ち着いたものだった。そのうちに都心から山間部に向かう程に交通量は少なくなってきて、快適に走行することができた。 出発して1時間ほど経った頃、目的の工場が見えて来た。広大な敷地に、真新しい3階... 続きをみる
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その夜の橘ら3人は、なかなか寝付けなかった。自宅でなかったことも勿論あるが、明日は、いよいよ敵陣営に乗り込むのだ。平常心でいられるわけがない。 最悪の場合、対決するかもしれないし、そこで命を喪うかも知れないのだ。 10畳ほどの宿泊室、二部屋に男女が分かれて就寝した。 事務所や応接室に、適当に寄り集... 続きをみる
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美鞘が熱い視線を送る、完璧な容姿を持つイブという女性とは。 科学技術界きっての天才と称されながら、変わり者・異端児と疎まれ、消息を絶つように辺鄙な山の一軒家に研究室を設けて、所 典夫が造り上げた超人型ロボットだ。 イブは人工頭脳に感情回路を組み込まれているので自己進化を続けることができる上、心臓部... 続きをみる
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夜の8時前、橘ら一行はライトオン・ミュージックのビルにある、応接室にいた。 マネージャーの高畑と事務員のイブが出迎えてくれ、橘達の為に気を利かせサンドイッチとコーヒーがテーブルに並べてあった。皆は、というより橘は、その好意に殊の外感謝し喜んだ。「たぶん橘さんのことだからと思ってね」と屈託なく笑い、... 続きをみる
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橘と昭雄が対座シートに並んで座り、対面に美鞘が座っている。彼らは東京行きの急行列車に乗り込んだ。彼らの最寄駅からではローカルしか停まらないので、時間を考慮して長野駅まで橘の車は足を延ばした。 名目上、学校新聞記者として訪問する訳だから私服ではなく、昭雄はカッターシャツに学生ズボン。それに、いつもの... 続きをみる
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昭雄が学校から帰ると、それを待っていたかの様に電話が掛かってきた。受話器を取り「もしもし・・・」と言うが早いか、「おう!昭雄か!俺だ、俺だ!」馴染の声が耳に響いて痛い。橘は地声が大きいうえに話し方が荒っぽい。つい、受話器を耳から数センチ離した。「今日の昼な、高畑マネージャーから携帯に掛かってきたぞ... 続きをみる
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昨夜、女学生の由紀の血を吸い取り、工場敷地内にある未無来しか入ることが許されない建屋に入って巨大なタンクに排出した。そして、工場の近くの山に隠してある宇宙船の中のカプセルに入り一夜を過ごした怪物が事務所に戻った。一番奥にあるデスクの椅子に座ると総務の中村が、書類を持って前に立った。「社長、例のキリ... 続きをみる
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「どうぞ、みてもらっても構いません」美鞘は無造作に剣を差し出した。イブが一歩前に出る。手の平を剣の下に持っていき、美鞘が握っている手を離せば落下し、必然的にイブがキャッチする構図だ。美鞘が手の指を全部広げた。剣がイブに渡った瞬間「あっ!」と言う声とともにイブに体勢が崩れ、そのまま床に激突して『ガゴ... 続きをみる
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「あっ、いえ・・・」キリクノのコンサートでの替え玉騒動で、何もしていなかった昭雄は恐縮し、消え入るような小さな声で応えた。 昭雄は今でも、あの時とった対策が良かったのか悪かったのか、よくわからない。だが、キリクノのファンを欺いた事に変わりはない。昭雄は因果応報はこの世に存在していると思っているから... 続きをみる