takakazuのブログ

家庭菜園と、趣味での小説

イブ#その37

「私の星にも地球の様に動ける生物はいたの。でも言葉では伝えない。体には喉とか口がないから。この国で言う思念、テレパシーを使うのよ。そこで私は神に奉れていた。私は動けないけど彼らを使って治めていたの」まるで空想の世界だ。にわかに信じ難い話を目の前の女性型ロボットが淡々と話していく。「数10年後に巨大な惑星が衝突すると知った時、脱出用の船も造らせシールドも造らせた。そしてテレパシーによって地球という星が最適だとわかった時、手を打ったの」話を区切って理解できるか均を見る。均は黙って頷き先を促す。「誰かに私の殻を造るらせる為の技術を脳の深層部に送り込んだの。巨大な念波増幅装置を作らせてね。それがあなたの後、駆けつけた、やけに頭の大きかった白衣の男性」「私が選び、産まれて間もない彼の脳に植えつけたんだけど、彼は自分自身で発想し、研究し続けて完成したと思っている。どうでもいいことだけどね」そういってイブは爽やかな表情で笑う顔をつくって見せた。(まさか、この星を・・・)均は最悪のシナリオが頭を過ぎり生唾を飲み込んでイブの笑顔を見ている。